離婚に向けて別居をお考えの方へ
目次
別居を考えた方がよいのはどのようなひと?
・相手方から暴力やモラハラを受けており,同居によって身体的・精神的に苦痛を感じている方
・相手方と同居していることによって子どもに悪影響があると考えている方
・離婚したいと考えているが,相手方が応じてくれそうにない方
・離婚したいと考えているが,相手方と直接話し合うことができない方
このような状況にある方は,身体的・精神的な苦痛を逃れ安定した生活を取り戻すために,または離婚の手続をよりスムーズに進めるために,できる限り早く別居された方がよいと思われます。
別居に向けた準備について
生活費の確保=婚姻費用分担請求の準備
別居すると,相手方からの生活費の支給が止まってしまうケースがよく見られます。
「勝手に出て行ったのに生活費を渡す必要などない。」と言う相手方の言い分はよく耳にします。
このような場合,別居後の生活が立ち行かないことになってしまいます。
せっかく別居したのにこのような事態に陥ってしまっては,元も子もありません。このようなことを避けるため,相手方に生活費を請求する手続が,「婚姻費用分担請求」です。
別居中であっても,夫婦は同程度の生活を続けるためにお互いを扶養する義務があるため,収入の多い方から少ない方へ生活費を支払う必要があるのです。
婚姻費用分担請求は,調停を申し立てた時以降の分について請求することができますが,別居開始日まで遡って請求することはできません。
つまり,別居後,時間が経過してから婚姻費用分担の調停を申し立てると,別居開始日から調停を申し立てた日までの生活費を受け取れないことになってしまいます。
このような事態を避け,きちんと別居時点からの生活費を受け取るためにも,別居開始前に調停申立の準備を進めておき,別居開始後すぐに調停の申立を行う必要があります。
不倫の証拠収集
別居後,相手方の不倫を理由に慰謝料請求を行う場合,同居しているうちに不倫の証拠を収集しておくことをおすすめします。
その理由のひとつ目は,単純に証拠を集めやすいからです。相手方の不倫の証拠には,相手方と不倫相手とのメールやラインでのやり取り等,様々なものが考えられますが,これらの証拠は,いったん別居してしまえば入手が難しくなってしまします。また,別居することによって,相手方が警戒し,証拠を収集しづらくなるというのもあります。
もう一つの理由は,法律的な観点によるものです。不倫を理由に慰謝料を請求するためには,不倫が原因で婚姻関係が破綻したことが必要です。不倫以外の原因で婚姻関係が破綻した場合には,たとえ不倫の事実があったとしても,慰謝料は低額になってしまいます。そして,別居後に不倫の事実を把握してその証拠を入手しても,相手方から,「不倫が始まったのは別居後だ」などと言い逃れをされてしまうと,高額な慰謝料は望めなくなってしまう危険があるのです。
同居中に不倫の証拠収集を行うとすると,別居開始までの短期間に効率よく進めていかなければなりません。
また,探偵に調査を依頼するにしても,調査期間や調査対象をある程度限定して依頼しないと費用が高額化してしまいます。そのため,不倫の証拠収集は弁護士に相談しながら進めた方がよいでしょう。
財産分与の情報収集
離婚にあたって財産分与を求める場合には,相手方の資産の内容や金額をより多く把握している方が交渉を進めやすい傾向にあります。逆に,これらの情報が乏しいと,相手方に財産を隠される可能性があり,きちんとした財産分与を受けるのに手間や時間がかかってしまいます。
資産の内容や金額を事細かに把握していなくても,たとえば,預貯金であればどこの銀行か,保険であればどこの保険会社かといった情報を特定できれば,相手方に開示を求めたり,裁判所の手続を使って詳しい情報を開示させたりすることができます。その場合,相手方が財産を隠し通すことはなかなかできません。
このように,財産分与の交渉を有利に進めるためには,相手方の資産についての情報をより多く集めることが大切です。
しかし,相手方と別居した後は,このような情報を入手することは事実上不可能になります。そのため,相手方の資産についての情報収集は,相手方との同居中に行う必要があるのです。
情報収集にあたっては,どのような証拠を収集すればよいか,手掛かりになるのはどのようなものかなど,頭に入れておくべきことがたくさんあります。しかも,別居前の短期間に情報収集を確実に行わなければなりません。さらには,情報収集していることを相手方に気づかれてしまうと,相手方も警戒して資料を隠してしまう可能性があるので,慎重を期す必要があります。そのため,財産分与の情報収集についても,弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。
別居前から弁護士に依頼するメリット
上で述べた通り,別居すると決めたとしても,事前に準備しおかなければならないことが山ほどあります。
これらを短期間で効率よく進めるためには,離婚事件に精通した弁護士と相談しながら行うのがベストです。専門知識のある弁護士とともに,別居までの間,いつ,どこで,何をするかという計画を立て,それに沿って準備を整えることができれば,別居に向けた準備は万全と言えるでしょう。
相手方との話し合いでとっさの判断に困ったときに,その都度弁護士に法律相談の予約を取らなければいけないというのでは,手遅れになるおそれがあります。すぐに電話やメールで弁護士に相談できるよう,別居前から弁護士に依頼しておくことが,有利な離婚協議につながります。
監修者
- 弁護士法人リブラ共同法律事務所は離婚事件を中心に取り扱い、東京・札幌を中心に全国の皆様から多数の相談、依頼をいただいております。離婚についてお悩みのことがございましたら当事務所までお問い合わせください。
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