共同親権とは?
目次
はじめに
離婚を考えるご夫婦にとって、「子どもの親権をどうするか」は多くのケースで直面する悩みの一つです。とくに近年は「共同親権」という言葉を耳にする機会も増え、制度の内容や影響について不安や疑問を抱えている方も少なくありません。
本記事では、離婚問題に注力する弁護士法人リブラ共同法律事務所の弁護士が、新制度の概要やメリット・デメリットを解説し、「共同親権になることで何が変わるのか?」という疑問にお答えします。
共同親権とは
そもそも「親権」とは、子どもの利益のために監護・教育を行ったり(身上監護)、子の財産を管理したり(財産管理)する権限および義務であり、「共同親権」とは父母が共同でこの権限を行使し義務を果たすことをいいます。
従来の民法にも、父母の婚姻中は子どもがこの共同親権に服する旨の規定はあったのですが、父母の離婚時には必ず父母のうち一方を親権者と定めなくてはなりませんでした(単独親権)。
そのため、2024(令和6)年の民法改正をきっかけに広く知られ、議論されるようになった共同親権とは、正確には「離婚後の共同親権」を指し、父母が離婚した後も協力して子どもを養育する責任を果たすことを目的として、日本でも導入が決定した制度です。改正法施行後は父母が離婚時に共同親権を選択することで、その後も父母の双方が子どもの監護・教育・財産管理などに関わり続けることが出来るようになります。
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【参考:民法第819条第1項】 (旧)父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。 |
いつから適用されるか
離婚後の共同親権を定める改正民法は2026(令和8)年4月1日に施行されます。
もっとも、施行日後に離婚する場合も引き続き父母のいずれかの単独親権を定めることは可能です(自動的に共同親権になるというわけではありません)。また、施行日前に離婚した父母が、家庭裁判所の親権者変更調停・審判手続を通じて単独親権から共同親権へ変更をすることも出来ます。
共同親権の選択によって変わること
単独親権を選択すると、離婚後は父母の一方だけが親権者となり子どもに関する重要な決定を単独で行いますが、共同親権下では子どもの進学や転居、手術等の重大な医療行為などの重要事項について、父母双方の合意が原則として必要になります。
「この原則はどのような行為にまで及ぶのか」という疑問に対しては、改正民法では共同親権下でも単独で行える状況や行為について、
✅①「他の一方が親権を行うことが出来ないとき」(民法第824条の2第1項第2号)
✅②「子の利益のため急迫の事情があるとき」(同第3号)
✅③「監護及び教育に関する日常の行為」(同第2項)
と明文化されることになりました。
それぞれの具体例としては①父母のいずれかが急病になった場合や長期不在になった場合、②入学手続の期限が迫っている場合や緊急の手術等が必要になった場合、DV・虐待から避難するための転居の判断、③子の食事内容や習い事などに関する選択、などが該当すると解されています。
また、父母の協議が整わないことで子どもの利益を害しかねない事項がある場合には、家庭裁判所が当該事項にかかる単独での決定権者を指定することが出来る旨の規定も新設されました(民法第824条の2第3項)。
共同親権を定めるには
離婚時に共同親権とするためには、父母の合意が必要です。
協議離婚の場合は、話し合いで共同親権とするかを決めて届け出ることになりますが、合意ができない場合は、家庭裁判所での調停や審判によって判断されます。このとき、家庭裁判所は子どもの利益を第一に、事案ごとに父母と子の関係、父母間の関係その他一切の事情を考慮することになります。
そこで、もし調停や審判手続において共同親権を希望する立場になった場合は、「なぜ共同親権が子どもにとって望ましいのか」を具体的に説明する必要があります。
たとえば、これまでの育児への関与状況や、離婚後も協力して子育てができる体制が整っていることなどが重要な判断材料になります。
一方で、DVやモラハラ、父母間の強い対立関係があるなど、父母が協力して親権を行使することが困難であると認められる場合には、いずれかの単独親権が妥当であると判断されます。
共同親権は望ましくないと主張する際には、具体的な事情や証拠を示し、単独親権が相当であることを家庭裁判所に丁寧に伝えることが重要になります。
共同親権のメリット・デメリット
共同親権のメリット
共同親権を選択できるようになる大きなメリットとして、離婚後も父母双方が親としての権利と責任を持ち続けられることが挙げられています。
子供と別居する親も親権者であると明確になることで面会交流の実施や養育費の支払いも促進されることも期待されていますし、子どもにとっても、どちらか一方の親との関係が制度上断たれることがなくなるので、精神的な安心感につながると考えられています。
また、単独親権しか選べない状況では「親権を失うと子どもと引き離されるのでなないか」「子どもの成長を見られなくなるのではないか」という不安から父母の双方が親権を譲らず離婚協議が長期化・深刻化する事例もみられましたが、共同親権という選択肢が出来たことで親権を巡る「勝ち負け」の構図が弱まり、離婚時の対立が緩和される効果も期待されています。
共同親権のデメリット
一方で、共同親権には慎重に考えるべきデメリットもあります。
親権の行使に関わる事項で父母の意見が対立した場合、重要な意思決定がスムーズに進まず、かえって子どもの生活に支障が出るおそれがあります。
また、父母間にモラハラや支配的な関係があった場合、共同親権を理由に相手方から継続的な干渉を受けるリスクも否定できません。制度が出来たからといって共同親権がすべての家庭に適しているわけではなく、個別事情に応じた判断が不可欠です。
親権問題を弁護士に依頼するメリット
共同親権は制度が始まったばかりで、裁判所や行政機関、教育現場での実務運用も発展途上です。そのため、「自分のケースではどう判断されるのか」を一人で見極めるのは簡単ではありません。
弁護士に相談・依頼することで、
✅共同親権が適しているか
✅単独親権を維持すべき事情があるか
✅将来のトラブルを防ぐために何を決めておくべきか
といった不安や対立点を整理し、将来のトラブルを防ぐ合意形成が可能になります。
共同親権についてお悩みの方は弁護士法人リブラ共同法律事務所にご相談ください
親権は一度決まると簡単に変更できるものではなく、「後から後悔しないために、今できる準備をしておくこと」が何より大切です。不安を抱えたまま進めるのではなく、ぜひ専門家と一緒に、納得できる選択を考えていただきたいと思います。
当事務所では、離婚や親権問題に丁寧に向き合い、ご依頼者一人ひとりの事情に合わせた解決を心がけております。ご心配なこと、お悩みのことがあればお気軽に弁護士法人リブラ共同法律事務所にご相談ください。
監修者

- 弁護士法人リブラ共同法律事務所は離婚事件を中心に取り扱い、東京・札幌を中心に全国の皆様から多数の相談、依頼をいただいております。離婚についてお悩みのことがございましたら当事務所までお問い合わせください。
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