「弁護士なし」の離婚調停は可能か

 「相手が離婚自体を拒否している」「一方的に条件を突きつけられている」「顔を合わせること自体が苦痛で話し合いができる状態にない」…など、ご夫婦間での協議による離婚が出来ない場合は、離婚調停手続を利用することが考えられます。

 

 もっとも、離婚調停は家庭裁判所で行う手続であることから、ご自身での申立て、あるいは申立てられたときの対応ができるものなのか疑問を抱かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 そこで、こちらでは、これまで多数の離婚問題を解決してきた弁護士が、離婚調停を弁護士なしで進められるかどうかという点と、弁護士なしで対応する際のメリット・デメリットにつき、ご説明いたします。

 

「弁護士なし」での離婚調停の進め方

 

離婚調停はご自身だけで始められる

 離婚調停は、訴訟(裁判)のように裁判所が「判決」という最終的な判断を下す手続きではなく、調停委員という第三者を介しながらもあくまで当事者間で話し合うための手続きです。そのため、弁護士に依頼せずとも、申立てることも相手方として対応することも可能です。

 

 なお、実際の婚姻関係事件についての司法統計においては、当事者双方に代理人弁護士がついていた事件が全体の30%弱、申立人のみについていた事件が25%程度であり、いずれも年々上昇傾向にあります。ご本人のみで調停に臨む方も多くいらっしゃるものの、あわせて全体の半分以上は弁護士に依頼したうえでの調停手続が行われていることになります。

 

ご自身で離婚調停を申立てる方法

離婚調停の申立ては、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、またはご夫婦の合意で定めた家庭裁判所に、

 

✅離婚調停の申立書と申立書の写し(書式はホームページや窓口で入手可能です)
✅夫婦の戸籍謄本
✅収入印紙1200円分
✅連絡用の郵便切手(内訳は家庭裁判所により異なります)
✅年金分割のための情報通知書(年金分割の申立てが含まれている場合)

 

を提出して行います。

 

申立から1~2週間程度で裁判所から第1回の期日の日程を決めるための連絡が来て、一般的には更に1か月程度先の日時で指定されることが多いです。指定された期日については相手方には裁判所から書面で通知されるため、こちらが連絡を取る必要はありません。また、相手方には期日の1週間前までに、「答弁書」という申立書に記載された内容に対する認否・反論を示す書面を裁判所へ提出することが求められます。

 

調停期日当日の流れ

 まず、裁判所での手続全てが公開の法廷で行われるものではありません。離婚調停は非公開の手続きですので、調停室というテーブルと椅子が並べてある会議室のような部屋で行われるのが普通です。また、基本的には相手方と同席することもありません。

 

指定された日時に家庭裁判所に行くと、当事者それぞれの控室に案内され、順番に調停室に呼び出されます。調停室では、調停委員から申立書(答弁書)に記載された内容の確認や、離婚したいと思った理由、相手方との争点、こちらの希望などについて質問を受けていくことになります。1回の調停で大体2~3回話す順番が回ってきたのち、次回期日を設定する流れとなります。このとき、次回期日までに争点に応じた追加資料の提出を求められることもあります。 

 

弁護士をつけずに離婚調停に臨むメリット・デメリット

メリット

 離婚調停に弁護士をつけない最大のメリットは費用が安く済むことにあります。

 

調停をご自身で申し立てる必要な費用は上述の収入印紙と連絡用郵券の代金のみであるのに対し、弁護士に依頼すれば着手金や報酬金といった弁護士費用が掛かるためです。

 

とくに、財産分与や慰謝料などの金銭的な条件面で争っている場合には、弁護士費用に見合うだけの成果を得られるかを検討する必要があるでしょう。
 

デメリット

 

離婚調停に弁護士なしで対応するデメリットは、以下のように、ご自身に以下のような労力や精神的な負担がのしかかってくることにあります。

 

・期日に出頭するだけが調停手続ではない

 

まず、離婚調停の手続の中では、申立書等の準備をしたり、追加資料の取得・作成に時間を取られたりと、裁判所での実際の話し合い以外にも、様々な労力を割かれることになります。
離婚調停を始めるにあたり、

・相手方がどんな主張をしてくるのか、つい考えてしまって気が休まらない
・相手方のことよりも子どもや自分の新しい生活の準備に注力したい
・仕事が忙しく、期日間の準備をする時間が無い

…と感じられる方は、弁護士に依頼し、手続を代行してもらうことをお勧めいたします。

 

・こちらの主張を調停委員が汲み取ってくれるとは限らない

また、実際に調停期日に裁判所の密室で、調停委員を相手に自分の主張を説明することは、想像以上に困難に感じられると思います。というのも、調停委員は協議の仲介をする立場でしかなく、相手への不満など感情的な話をぶつけても共感してもらえるとは限らないからです。それよりも、論点を整理したうえで、より説得的に調停委員と交渉が出来る方が優位になって協議が進みやすいといえます。
そこで、
・自分は話下手で、余計なことまで話してしまわないか不安
・人前で話すのが苦手で、調停委員に押し切られないか心配
・調停委員が相手方の外面に騙されている気がする
・相手方が弁護士に依頼している

 

…これらに思い当たる方は、取り返しのつかない結果となってしまう前に弁護士に相談すべきでしょう。弁護士は調停室へも同席することができるため、ご自身の主張がきちんと調停委員に伝わるよう、フォローしてもらうことが可能です。

 

離婚調停を弁護士に依頼するなら

「弁護士なし」では調停で不利になる?

 

おそらく、離婚調停に弁護士なしで対応しようと考えていらっしゃる方が一番心配されるのは、「弁護士がつかないと不利になってしまうのではないか」という点なのではないかと思います。

 確かに、調停はあくまで話し合いの手続きであり、相手方や調停委員が示す同意案を受け入れなかったからといって裁判所から不利な判断を下されてしまうというものではなく、調停が「不成立」となるだけです。したがって、弁護士がついていないことが直ちにご自身に不利にはたらく、とまでは言えません。
 ただし、調停不成立となった後、訴訟(裁判)に移行した場合には、調停での話し合いの経緯や提出された資料が裁判官の心証に影響する可能性はあります。

 

特に相手に弁護士がついている場合は要注意!

 相手方に弁護士に依頼しているケースではさらに注意しなければなりません。
家庭裁判所での調停手続に対し、「裁判所が中立的立場で間に入ってくれるから、わざわざ弁護士に依頼しなくても法律的に正しい解決策が示されるのではないか」というイメージを抱かれている方もいらっしゃるかもしれません。

 

 ですが、それは大きな間違いです。たしかに調停委員は公平で中立な立場であることが大前提ではありますが、決して法律に詳しい方ばかりとはいえません。そのため、相手側弁護士の法的根拠に基づく主張に対して、調停委員が的確に反論してくれることには期待できませんし、立場上、片方だけが弁護士をつけているからといって他方の当事者に助け舟を出してくれることもありません。その結果、最終的にはこちらに不利な内容の同意案を受け入れるよう調停委員から説得されることすらあるのです。

 

 

当事務所でも「自分で調停を申し立てたのに、期日を経るごとに雲行きが怪しくなっている」「こちらの話を理解してもらえないまま、次回期日で終わりにすると言われてしまった」という方のお話を伺うことがありますが、すでに数回の期日を経た後で調停委員を改めて説得することには難しい点も多く、「もっと早く相談してくれたら良かったのに…」と感じることは決して少なくありません。

 

 これに対し、こちらも弁護士がついていれば調停期日に手続を良く知る専門家が同席しているという安心感を得られますし、適切な準備をすることで各期日に充実した話し合いをすることが出来ます。また、「相手方や調停委員が示した条件を受け入れるべきか、拒否すべきか」などのお悩みに対し、訴訟(裁判)等の後の展開を踏まえたアドバイスを得ることも出来ます。

 ひとりで調停を乗り切り、納得のいく内容で離婚できるか心配な方は、まず一度、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

 

当事務所の離婚相談の特徴

 

そして、離婚調停で弁護士をつけようと考えたら、離婚問題に精通した弁護士を選んで依頼することが重要です。なぜなら、弁護士が取り扱う分野は離婚以外にも多岐にわたり、弁護士それぞれに得意な分野があるからです。専門性が高く、相手方との交渉を優位に進める方法を熟知している弁護士に依頼することで結果に大きな差が出てくることでしょう。

 

弁護士法人リブラ共同法律事務所では、すでに累計2000件以上の離婚相談に対応してまいりました。また、弁護士間で解決事件を通じた勉強会を開催し、経験を共有しています。このように、当事務所は多数の離婚問題に取り組んだ実績がございます。

当事務所では、多数の離婚事件を解決してきた経験豊富な弁護士があなたの新しい生活への第一歩をサポートいたします。当事務所では初回のご相談は無料とさせていただいておりますので、離婚調停についてのお悩みのある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

監修者

弁護士法人リブラ共同法律事務所
弁護士法人リブラ共同法律事務所
弁護士法人リブラ共同法律事務所は離婚事件を中心に取り扱い、東京・札幌を中心に全国の皆様から多数の相談、依頼をいただいております。離婚についてお悩みのことがございましたら当事務所までお問い合わせください。

こちらもご覧ください

●弁護士紹介 ●解決事例 ●お客様の声 ●弁護士費用 ●5つの強み
離婚問題を弁護士に相談するメリット離婚問題を弁護士に相談するメリット

お一人で抱え込まずに、まずはお気軽にご相談ください。TEL:0120-661-760 相談予約受付時間9:00~20:00(365日対応)お電話の際、相談希望の事務所をお伺いします。弁護士法人リブラ共同法律事務所(札幌弁護士会所属)【札幌駅前本部】札幌駅徒歩5分 【新札幌駅前オフィス】新札幌駅徒歩5分お一人で抱え込まずに、まずはお気軽にご相談ください。TEL:0120-661-760 相談予約受付時間9:00~20:00(365日対応)お電話の際、相談希望の事務所をお伺いします。弁護士法人リブラ共同法律事務所(札幌弁護士会所属)【札幌駅前本部】札幌駅徒歩5分 【新札幌駅前オフィス】新札幌駅徒歩5分

メールでのご予約(24時間受付)

離婚問題を弁護士に相談するメリット離婚問題を弁護士に相談するメリット

お一人で抱え込まずに、まずはお気軽にご相談ください。TEL:0120-661-760 相談予約受付時間9:00~20:00(365日対応)お電話の際、相談希望の事務所をお伺いします。弁護士法人リブラ共同法律事務所(札幌弁護士会所属)【札幌駅前本部】札幌駅徒歩5分 【新札幌駅前オフィス】新札幌駅徒歩5分お一人で抱え込まずに、まずはお気軽にご相談ください。TEL:0120-661-760 相談予約受付時間9:00~20:00(365日対応)お電話の際、相談希望の事務所をお伺いします。弁護士法人リブラ共同法律事務所(札幌弁護士会所属)【札幌駅前本部】札幌駅徒歩5分 【新札幌駅前オフィス】新札幌駅徒歩5分

メールでのご予約(24時間受付)