不貞慰謝料の相場はいくら?:裁判例から見る目安

不貞行為をした方へ請求される慰謝料の金額は法律で決まっているものではありません。

 

 実際に訴訟になった際は、それぞれの事案を考慮して裁判所が慰謝料の金額を決定します。そこで、慰謝料請求を受けた方が相手と交渉をするときも、こうした裁判例を目安にして合意を目指していくことになります。

 

そこで、こちらでは札幌市近郊で多数の慰謝料トラブルを解決してきた弁護士法人リブラ共同法律事務所の弁護士が、不貞慰謝料を請求された方が知っておくべき不貞慰謝料の相場の目安について、裁判例を交えてご説明いたします。

 

大きな基準は、「相手方夫婦が離婚するか否か」

一般的に、不貞慰謝料の相場は50万円~300万円程度とされていますが、その範囲内でいくらくらいに決まるのかを大きく分けるのが、「不貞行為を原因として相手方夫婦が離婚するかどうか」という点です。離婚することになった場合は、婚姻関係を破綻させたことによる相手方の被った損害、すなわち精神的苦痛も大きいものと評価されるからです。

 

後述するように個別具体的な事情により実際の慰謝料額は変動しますが、おおむね「相手方が離婚する場合100~300万円前後」「相手方が離婚しない場合は50~100万円程度」というのが相場となります。例えば、相手方夫婦が離婚はしないものの、不貞が発覚したことで別居することになったケースだと、これらの間をとって100~200万円程度の慰謝料となる傾向にあります。

 

参考判例:慰謝料額の判断事由

 それでは、実際の裁判ではどのような事情を考慮して慰謝料の金額を決定するのでしょうか。参考となる判例をいくつかご紹介いたします。

一般的な増額事由・減額事由についてはこちらもご覧ください。

 

①請求者夫婦が同居を続けた事案:名古屋地裁平成3年8月9日判決

 妻が夫の浮気相手に対して1000万円の慰謝料を請求した事件です。

 

【慰謝料の増額事由】
・相手が既婚者であることを知って不貞に及んでいること
・不貞により夫が妻に離婚を求めるようになり、もともとは平穏であった夫婦関係が危機に瀕したこと

 

【慰謝料の減額事由】
・夫妻は結婚して20年近くたち、夫婦で営む鰻屋の女主人として妻が確たる地位を有していること
・舅らが妻の気持ちを理解していること
・不貞があった期間も夫が家業を疎かにしなかったこと
・夫婦が現在も同居を続けていること
 
→裁判所は妻が不貞行為により悩み、精神的に傷ついたという損害の発生自体は認めましたが、上記減額事由もあわせて考慮すればその精神的損害を100万円と認定するのが相当であるとして、被告(浮気相手)に100万円の慰謝料支払いを命じる判決を出しました。

 

②請求者の配偶者側が主導して不貞が行われた事案:東京地裁平成10年7月31日判決

夫が妻の浮気相手に800万円の慰謝料を請求した事案です。

 

【慰謝料の増額事由】
・婚姻期間13年のうち、不貞の期間は3年に及んだこと
・夫婦の間に小学生の子供がいること
・妻は浮気相手と同棲し、夫婦同然に暮らしていること
・浮気相手が謝罪を拒否していること

 

 

【慰謝料の減額事由】
・不貞発覚前から夫婦相互に相手方に対する関心が著しく希薄であったこと
・妻が夫に強い不満を有している一方で浮気相手に強く惹かれ、積極的に不貞行為を主導していたこと

 

→裁判所は、被告(浮気相手)は妻の「気持を受け入れてしまったにすぎないというべき」で、不貞の主たる責任は妻にあると評価しました。そこで、結果として家庭の平和を完全に崩壊させたことには他ならないことを理由に賠償責任自体は認めたものの、上述の事情を総合勘案して慰謝料の金額は100万円が相当であると示しました。

③不貞期間が長期にわたっていた事案:大阪地裁平成11年3月31日判決

 妻が夫の浮気相手に1200万円の慰謝料を請求した事案です。

 

【慰謝料の増額事由】
・結婚してから4年経過した頃から交際が始まり、不貞期間が20年近くにわたって継続していること
・不貞の発覚後、最終的に夫が転居先を告げずに家を出て別居するに至っていること

 

 

【慰謝料の減額事由】
・不貞関係になるにあたって夫と浮気相手のいずれが主導的であったか明らかでないこと

 

→裁判所は慰謝料額について「不貞行為の経過、態様および影響等について…諸事情を総合的に考慮」すると示し、浮気相手に300万円の慰謝料の支払いを命じました。裁判当時すでに原告夫妻の双方が離婚する意向を示しており、その場合の相場とされる範囲の上限である300万円で慰謝料額が認定されたのは、不貞行為の期間の長さが重視されたものと考えられます。
 

 

④請求者側の夫婦関係が破綻の危機に瀕していた事案:東京地裁平成30年1月23日判決

 妻が夫の浮気相手に300万円の慰謝料を請求しました。

 

【慰謝料の増額事由】
・同居期間は10年4か月であるのに対し、別居期間が2年11か月であったこと
・夫婦間の価値観の相違が婚姻生活において顕在化する状況に無かったこと
・別居中も妻が関係修復のため努力を払っていたこと

 

 

【慰謝料の減額事由】
・不貞前から夫が別居中の妻に離婚協議書や離婚届を送ったり離婚調停を申し立てたりしていたこと
・婚姻関係の平穏を害することにつき浮気相手に故意があったとまではいえず過失にとどまること

 

→「不貞が行われたときに既に婚姻関係が破綻していたかどうか」という点が争われましたが、裁判所は別居期間自体から直ちに婚姻関係の破綻を認めはしませんでした。また、夫が離婚への働きかけをしながらも妻が別居後も修復のため努力していたことに照らせば婚姻関係は「破綻の危機に瀕していたにとどまり、すでに破綻していたとまではなお認めるに足りない」と判断しています。とはいえ、そうした危機にあったことに加え、浮気相手に故意が無かったこと等、他の事情をも総合考慮すれば浮気相手が支払うべき慰謝料は40万円が相当、とかなり低い額で判断しています。

 

不貞慰謝料を請求された方へ

突然不貞行為の事実を指摘されたうえに慰謝料の支払いを求められたら、冷静に対処できる方のほうが少ないと思います。しかも、自身に本当に支払義務があるのか、あるとしても適正な慰謝料の金額はいくらなのか、時間的猶予もさほど与えられない中で様々なことを考えなければなりません。

 

ですが、ここまでご紹介した判例の事案からも分かるように、相手方としては配偶者に裏切られたショックやその相手であるあなたが許せないという気持ちから相場を超えた多額の支払いを求めることもありますし、弁護士がついていたとしても話し合いになることを見越して「あえて高めに」、「まずは相場の上限で」という方針のもとで慰謝料請求してくることも珍しくなく、減額に向けて交渉する余地があるケースも実は多いのです。

 

 

そこで、交際相手の配偶者から慰謝料を請求する旨の連絡が来たら、なるべく早めに弁護士にご相談ください。弁護士が専門知識や過去の判例に基づいた適正な金額になるよう粘り強く協議・交渉に臨みます。また、こちらの連絡窓口が弁護士となりますので、相手方と直接顔を合わせることなく解決まで任せることが出来ます。

 

弁護士法人リブラ共同法律事務所では、慰謝料請求・被請求事件についても多数のご相談・ご依頼をお受けしてまいりました。当事務所では、多数のお悩みを解決してきた経験豊富な弁護士があなたをサポートいたしますので、不貞慰謝料の支払いを求められてお困りの方は、ぜひ当事務所へご相談ください。

監修者

弁護士法人リブラ共同法律事務所
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